テープ起こし・文字起こしの音源としても多いインタビューの録音音声。日頃、取材や録音をあまり行ったことのないお客様から、どうすればインタビューの録音を上手にできるか、お問い合わせをいただくことがあります。
そこで本記事では、一般企業や学校などにお勤めで、普段、取材をしたりする機会があまりないという方に向け、インタビューを録音するときのポイントを佐藤編集事務所がまとめてみました。
質のよい録音音声は、質のよいテキスト化につながります。ぜひ、インタビューのテープ起こし・文字起こしを成功させるために、本記事をお役立てください。
初心者が知っておきたいインタビュー録音のコツ
インタビュー録音-6つのポイント・注意点
【ポイント1】静かな場所を選ぶ
テープ起こし・文字起こしの録音場面として非常に多いインタビューの録音について、取材経験が浅い方でも上手に行えるポイントをご紹介します。
まず、基本的な注意点としては、静かな場所で録音するようにします。そんなの当たり前のことじゃないか、あなたはそう思われたかもしれません。
でも、テープ起こし・文字起こしのため当事務所に寄せられるインタビューの録音音声を聞いてみると、周囲の雑音がうるさい音声が意外と多いのが現実です。
雑音も、書き起こしする作業に支障がないレベルならいいのですが、なかには話者が何を言っているのか非常に聞き取りづらいこともあります。
録音状態が悪いと作業時間が余計にかかったり、起こした文書の品質が落ちたり、最悪の場合はテープ起こし・文字起こし作業が不可能なことも稀にですがあったりします。
【ポイント2】自分の耳を基準にしない
インタビューは応接室のような静かな場所で行われることもあれば、周囲に人が大勢いる場所や、BGMが流れる喫茶店など飲食店で行われることもよくあります。
人間の聴覚というのは非常に高機能にできていて、隣席で他の客が喋っていても、あるいはBGMや空調の音が少々うるさくても、インタビュー相手の話を聞き取ってしまいます。
こうした音声の選択的聴取は、カクテルパーティー効果と呼ばれます。騒がしいパーティー会場でも、自分の話し相手の声を聞き取れる現象から名付けられました。
しかし、録音機器は文字通り機械的に何でも録音してしまいます。喫茶店などで録音した音声を後で聞いてみたら雑音が大きくて、肝心なインタビューでの話がほとんど聞こえなくてびっくりした、といったことが起こったりします。
ですから、録音の場所を選ぶ際は「これくらいなら大丈夫だろう」と高を括らず、可能であればテスト的に録音してみるなど、細心の注意が必要と言えます。
【ポイント3】録音場所がうるさい時の対処法
お店などの場合は取材場所選びの段階から配慮できればベストですが、録音の都合だけで選ぶわけにもいかないでしょう。
ですから、このお店はうるさそうだなと感じたら、座る場所を静かな席に替えたり、録音機器をインタビュー対象者の近くに置いたり、場合によってはお店の方に頼んでBGMを小さくしてもらったりするとよいです。
私はインタビューを行う機会も多いのですが、さすがにBGMを止めてくれと言うと嫌な顔をされそうで、頼んだことはありません。しかし、少し音量を下げるぐらいでしたら頼みやすいですし、実際、お店の方も案外協力してくれるものです。
【ポイント4】広い部屋で録音するときの注意点
また、会議室など、静かで広い部屋でインタビューを行うときにも注意点があります。
部屋が広いと、インタビュアー(聞き手)、インタビュイー(話し手)、同席する関係者などが、バラバラに離れて座りがちです。しかし、録音機器と話者の距離が離れてしまうと、録音音声の質は落ちていきます。
よくあるのは、ロの字型に机を置いた会議室などです。多人数の場合は仕方ないこともありますが、人数が少なければ机をくっつけて近くに寄ってもらい、録音するとよいです。
どこの場所で録音するにしても、いったんインタビューが始まってしまうと、話を中断していろいろ変更や調整がしずらくなります。早め早めに対処しておきましょう。
【補足】新型コロナウイルスが流行してからは、ソーシャルディスタンスをとることが重視されるようになりました。取材時の感染状況やインタビュー場所の環境によっては、本記事の録音ポイントよりも感染予防を優先してください。
【ポイント5】人員に余裕があれば担当を分ける
インタビューの録音というのは、慣れていないと意外とバタバタとしてしまうものです。この点は、講演や会議の録音とは異なるところです。
インタビューすることの緊張感はもちろん、質問のために考えをめぐらしたり、お相手の話を集中して聞いたり、飲み物の気遣いをしたり、予定の時間を気にしたり、録音機器の電池も気になったり、写真撮影もしたり・・・、そのうえで録音もちゃんとしなければならないとなったら、素人にはなかなか大変です。
場合によっては、インタビュアーが1人でこれら何役をすべて行わなければならないこともあったりします。もし、ゆるされるのであれば、複数名で行って担当を分けたほうが間違いないでしょう。
インタビューに慣れていないと録音するだけでも、BGMや雑音はうるさくないかとか、録音機器がちゃんと動いているかとか、声が小さいけど音は録れているかとか、結構いろいろと気になったりするものです。
【ポイント6】気持ちよく話してもらえる配慮を
また、取材するインタビュアー側があまり大人数になりすぎると威圧的になってしまいますので、その点も気を付けるようにします。
せまい部屋にインタビュー対象者は若い女性が1人、反対側のインタビュアー席にはスーツ姿のおじさんが4~5人ずらっと並んでいる。こんなシチュエーションだと、相手が委縮したり緊張してしまったりするので、気を付けるようにしましょう。
インタビューを行う場所はホームかアウエイか、人数は何対何か、相手の年齢は何歳ぐらいか、職業は、役職は・・・。細かいことをいろいろ考えるときりがないですが、インタビュー対象者が気持ちよく話してもらえるようにする配慮は大切です。
インタビューの録音機器について
ICレコーダー(ボイスレコーダー)での録音について
インタビューに限りませんが、取材等で使用される録音機器としては、ICレコーダー(ボイスレコーダー)が一般的です。
市販されているICレコーダー(ボイスレコーダー)の多くは、小型・軽量であり、基本的な操作はとても簡単といえます。
ICレコーダー(ボイスレコーダー)は、街の家電量販店やインターネット通販で購入することができます。ただ、製品の種類はとても多く、機能・特徴も様々です。
おすすめのICレコーダー(ボイスレコーダー)を絞るのは難しいですが、新規に購入される際は、インタビューや取材で使用することを前提に選ぶとよいでょう。
目新しい機能があり魅力的に見える製品であっても、それは音楽録音や語学学習向けだったりすることもあります。
どの製品を選べばよいかわからないときは、個人的にはオリンパスのICレコーダー(ボイスレコーダー)が無難ではないかと思います。
スマートフォンでの録音について
スマートフォンにもボイスレコーダーが内蔵されていたり、録音アプリもいろいろありますので、それらを使用して録音される方もふえています。
以前は、スマートフォンで録音すると音質が悪い傾向がありましたが、近年はだいぶ改善されてきているようです。
ただ、スマートフォンの機種やアプリなどによって、まだまだ録音状態に差があるので、インタビュー前には必ず録音のテストをして音質を確認されることをおすすめします。
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