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テープ・文字起こしの聞き取りに必要な耳の良さとは

テープ起こしライターに必要な耳の良さとは

耳が命のテープ起こしライター。人が話した言葉を聞き取り、正確に文字化するために、どんな能力が必要なのでしょうか。

本ページでは「耳の良さ」をテーマに、テープ起こし・文字起こしに長年携わってきた佐藤編集事務所が、多くの音声を文字化してきた経験をもとにご説明します。テープ起こしライターを目指す方、聞き取りが苦手だと悩んでおられる現役ライターの方は、要チェックの内容です。

テープ起こし・文字起こしにおける聞き取り能力

言葉を正確に聞き取る能力が求められる

テープ起こしの仕事は、耳の機能は正常であれば十分

テープ起こしライターにはタイピングに代表されるように、この仕事を行う上で欠かせない技能があります。音声を文字に起こす仕事ですから、タイピングが苦手では話になりませんからね。

さて、文字入力のようなテクニカルな技能とは別に、テープ起こしライターにはある能力が求められます。それは、耳の良さです。

ここで言っている「耳の良さ」とは、健康診断の聴力の検査でするような、小さな音が聞こえるとか、高音や低音がしっかり聞こえるとか、そういった耳の良さではありません。

もちろん、音声を聞く仕事ですから、器質的な耳の疾患があるとか、前述したような聴力の機能が著しく劣るのであれば差し障りがあります。

ただ、テープ起こしの仕事をするからといって、人よりも小さな音がよく聞こえるといった必要はなく、耳の機能は正常レベルであれば十分です。

テープ起こし(文字起こし)ライターはリスニング能力が必要

ここでお話ししたい耳の良さとは、「言葉を正確に聞き取る能力」のことを言っています。

これは、ヒアリングとリスニングの違いに似ています。いずれも「聞く」という意味ですが、ヒアリングの意味には「自然に聞こえてくる」というニュアンスがあります。

一方、リスニングの意味は「意志をもって聞こうとする」というニュアンスです。

当然ながら、テープ起こしでは後者のリスニングの聞き方になります。リスニングの精度が高い、つまり人が話した言葉を正確に聞き取れるか、この能力が問われるということです。

言葉を聞き取る能力には個人差がある

ここまで読まれた方の中には、外国語のリスニングならともかく、日本人が日本語を聞き取るテープ起こし作業で、そんなに能力差が出るのかと思われるかもしれません。

じつは、これが結構、テープ起こしライターによって差があります。

私ども佐藤編集事務所では、ときどきテープ起こし(文字起こし)のライターを募集していますが、現在は経験者に限っています。

一時期、未経験者も募集したことがありましたが、上述した聞き取り能力の足りない方が多く、だいぶ前から経験者のみにしました。長年、テープ起こしライターとして仕事を継続して行えているというのは、聞き取り能力があってこそだからです。

聞き取った音声を正確に文字化する

テープ起こし・文字起こしには語彙力や文章力も必要

ここまで、言葉を正確に聞き取るという意味での耳の良さについて、ご説明してきました。

実際にテープ起こし作業においては、言葉を聞き取り、それを文字化・文章化していきます。ですから、音声を正確に聞き取るだけでなく、語彙力や文章力も大いに関係します。

少々聞き取りづらい箇所も、語彙力があれば正しい答えが導き出しやすくなりますし、前後の文脈から類推して何と言っているかわかることもよくあります。

私ども事務所にはテープ起こしの仕事をしたいという方から、ときどき応募のメールが来ることがあります。それで何回かメールのやり取りをしていると、メールの文章力が劣る方、語彙が著しく少ない方、誤字・脱字が多い方がいらっしゃいます。

このような方々は、残念ながらテープ起こしを頼んでも文字化の精度が低く、実力が足りないことが多いです。

決して美文・名文が書ける必要はありませんが、普段から文章作成に慣れていない方は、テープ起こしで音声を聞いて文章を作成していく能力にも欠ける傾向があるようです。

専門知識があると強みになる

あとは、音声内容に関連する知識も影響します。自分がよく知る分野の話だったりすれば、当然ながら正確に文字化しやすくなります。

例えば、音声を聞いて文字化したら「●●は日本で一番高い山です」になったとします。●●は聞き取れなかった箇所です。しかし日本人であれば、●●の聞き取り不能箇所が富士山であることは容易に想像がつくでしょう。

さて、これが「●●は日本で三番目に高い山です」だったらどうですか。山に詳しい方なら、奥穂高岳かな?と推測できます。不明箇所の音声もなんとなく「オクホ……」と聞こえたりすれば、これは奥穂高岳で間違いないだろう、ということになります。

ですから、ご自身で得意分野をもつことも、テープ起こしライターとしての強みになります。特定の専門分野に絞って、テープ起こしの仕事を請け負っているライターもいます。

現実的には前述の「山」に関するような知識はテープ起こしで必要になることは少ないですが、例えば医療やITなどの分野に詳しければ、仕事をする上で強みになると思います。

自分は得意分野などないから、どんな分野も広く浅くテープ起こしを受けようという場合も、何もしなくていいということはないです。それなりに日々の努力も必要です。

テープ起こしの音声内容には、本当にいろいろな話が出てきますので、日頃から新聞を読んだり、ネットニュースを見たり、一般常識的なことや時事ネタも広く浅く知っておいたほうが役に立ちます。

テープ起こし・文字起こしで聞き取れない箇所の対処法

伏字やタイムスタンプを記す

ここまで、テープ起こしライターの耳の良さについて述べてきました。しかし、先述しているとおり、音声のすべてが聞き取れるわけではありません。経験豊富なプロのライターでも、どうしても聞き取りできない箇所も出てくるものです。

テープ起こし原稿で聞き取れない箇所は、「●」などの伏字にするのが基本です。伏字の後に該当箇所のタイムスタンプ(テープ起こしの場合は音声再生ソフトの時間)を記すこともあります。

ノイズ除去や音声増幅も可能

また、テープ起こし業者の中には、聞き取りづらい音声のノイズ除去や小声の音声を増幅して大きくしたりするソフトを導入しているところも少なくないです。ご自身では聞き取れない音声も、あきらめずに相談されてみてもよいでしょう。

ただし、どんなソフトや技術を使っても限界はありますので、過度に期待しないほうがよいでしょう。やはり基本は、録音時にクリアな音が録れるように気を付けることです。

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